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「幕末下級武士の絵日記―その暮らしと住まいの風景を読む」

この記事のIDが1111になるのです。
だから何だ、という話ですが、大吟醸先生の分も含めて、このブログには1111件のエントリーがあるということです。
そんなコトを考えると、なんだかこう、自分、頑張ったな、っていう気分になるんです。手前味噌で申し訳ない。

忍藩の下級武士、尾崎石城という下級藩士が書き残した文久元年~2年までの絵日記。178日間という短い期間内にも、忍藩内を和宮降嫁の行列が通るなどの事件も記録されている。
また物価や何を食べたか、どんな人付き合いがあったか、その場所や風俗などを、絵を交えて描いている。

歴史学者的な視点ではなく、建築を研究している人の手による著作です。原文の全てが掲載されているわけではなく、手軽な価格の本にありがちな感じです。著者による文章の方が多い。
ただ、建築を専門としている人だけに、忍藩の武家屋敷だけではなく、東北方面に集中しているが、多くの武家屋敷の平面図を並べて解説している部分は圧巻。
とはいえ、時代がどう動こうとも変わらない、何の変哲もない日常を、著者がノスタルジーに浸りながら褒めちぎっているという、これもまたありがちな本。幕末に全く興味が無い人間が読んだら、苦痛でしかないくらい退屈な本。著者が安藤信正を坂下門外の変で殺しちゃってるし(爆)。生きてるよー!!殺しちゃダメだよー!!
今から考えるとさ、文久年間って愉快な土佐勤王党ズとか、長州の松下村塾メンバーとかが、京都や江戸でかなーり暴れた時期でもあったわけよ。水戸は特に頑張っちゃっていたワケよ。
でもさ、そんなの、今の埼玉県にあった忍藩の下級武士からすれば、ワイドショーでも観るような感覚で、「時代は確実に動いている」っていう実感じゃなくて、「あー、なんか暴れている人がいて、殺伐とした時代だよねー」とか酒の肴にしている程度なのよ。全体的にまったりと日々を過ごしているだけなんですね。
この人も間崎哲馬並みに酒で閉門をくらったりしていますが、それでも人が訪ねてきて、酒を飲んだりして楽しんでいるワケよ。「篤姫」の大久保どんみたく、「どこの無人島からお帰りなんですか?」なんて、月代も髭も剃らずに過ごしたような感じではないの。
当時の習慣を知るには楽しい本です。この人の感覚っていうのは、鈍いのか何なのか、時代劇や歴史書で作られた人物が閉門を食らうよりもはるかにお気楽。この人に恥の感覚が抜けていたか、心臓に毛が生えていたのか判りませんが。そこら辺が楽しいと言えば、楽しいのかもしれない。
土佐に料亭と妓楼は無かったので、忍藩の人たちとは色んな部分で違うと思いますが、武士も坊主も関係なく、お互いの家や料亭に集まって、ひたすらまったり。坊主は酔うと脱ぐし、石城は酔って障子を破壊するだけにとどまらず床をぶち抜いてるし!それでも床板をぶち抜いた家に、その翌日くらいに平気で顔を出しています。
そんな、まったりとした日々を送った武士だらけが本当の幕末なんだろうなぁ、と。よく魚を食べるなぁ、とか、意外に肉も喰ってるじゃん、とか、そんな感じです、ハイ。
1111番目のエントリーだから気合を入れていこう、と、思ったのに、やっぱりダルダルになってます、ハイ。

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